写真紹介 on Line

カメラと写真を楽しむ豊かな生活、そして鳥が大好き

オールドレンズの旅  TAMRON  80-210mm F/3.8-4 CF MACRO その2

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 フルサイズミラーレス機を入手依頼、手持ちの古いレンズを試し撮りしていますが、今のところそれに必要なマウントアダプターは、ライカLレンズ用、同Mレンズ用、同Rレンズ用とニコンFマウントの4種類しか持っておらず、使用できるレンズはこれらのマウントに限られています。
 しかしその限られたマウントだけでも、まだ手持ちレンズの半分以下しか試写できていませんから、今後ペースを上げていかなければと思っているところですが、しかし連日の蒸し暑さにまいり、カメラをぶら下げて出かけるのが少々億劫になっているところです。

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 ところで近頃気になっているのが、フィルム時代当時に購入し、その後使う機会がなく防湿庫に眠っているサードパーティ製レンズです。それというのも、今なら撮影後に現像の必要がなく、すぐにパソコンモニターで大きく拡大することも容易で、その画質や特徴を十分に検討でき、カムカメラメーカーのレンズとの比較が容易にできるからです。これには興味がそそられます。
 今日のレンズは7月20日、このブログ上に登場したものと同じですが、今回は撮影場所が違って、前回よりも木の陰になった薄暗いところで、背景は逆光に照らされた草木を入れてみました。焦点距離も少し伸ばして100㎜ほどにしています。
 ピント合わせはマニュアルですから狂いはなくしっかりしていますが、顔の描写は逆光による悪影響は出ておらず、細部においても破綻することなくくっきりと写っています。こういった場面をAFで撮ると大抵はピントが甘くなり、コントラストの低いはっきりしない描写になることが多いのですが。
 背景の逆光に照らされた草木の描写はとても自然でまた発色もよく、遠くに写っているものが美しくぼけていることなど、総合的に見てこのレンズの描写能力は高いと思っています。
 こういった実力の高いサードパーティ製レンズ、デジタル時代になって見直されていいレンズではないかと思っているこの頃です。古いレンズ、面白いですね。

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 撮影機材のカメラはSony α7Ⅱに、レンズは TAMRON 80-210mm F/3.8-4 CF MACRO。大きな写真の撮影データは、焦点距離100mm、35ミリ版換算100mm、ISO320、F5.6、1/100sでした。また、大きな写真はクリックして更に大きく見ることが出来ます。

ベリーズ 初めて見た Black-cheeled Woodpecker (ブラックチークド ウッドペッカー)

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 中米の国ベリーズに住んでいた頃、この国に多くある熱帯のジャングルに建つホテルに何度か観光で行ったことがあります。目的はジャングルそのものを体験したいことと、そこに住む動物、特に野鳥を見たかったからです。

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 自宅のあるこの国最大のベリーズシティから、車で2.5時間ほどの所の国立公園の中にホテルがあり、そこはジップライン、空中に張ったワイヤーにぶら下がって空中を滑空する施設が有名で、その長さはこの国一番の規模を誇ります。
 そのホテルを訪れてみて分かったのですが、私にとってここの魅力は長いジップラインではなく、ホテル敷地内でさえも見られるたくさんの野鳥でした。それらは都市部では決してみられない種類が多く含まれており、ここで初めて出会った野鳥も何種類かありました。

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 今日の写真はそんな中の一種類で、ホテルに続く国立公園の入り口ゲートの頭上にいた Black-cheeled Woodpecker (ブラックチークド ウッドペッカー)で、この時初めて出会ったキツツキの一種です。
 このキツツキは、街中でよく見られるゴールデンフロンテッド ウッドペッカーに姿かたちが似ていますが、出会えるのはジャングルの中やその周辺だけで、都市部では見られません。

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 写真は非常に高い枝の上で、親が子に餌を与えている場面で、その餌は木の実ですが、この樹は都市部には生えていない種類で、郊外でないとありませんし、大きなクチバシのトゥカンもこの木の実を好んで食べます。
 写真は強烈な逆光でコントラストが低いのですが、肉眼で見ても鳥たちは真っ黒の状態にしか見えませんでしたから、何とか色が分かる程度に撮れただけでも良かったと思っています。
 使用機材のカメラはSony α77Ⅱに、レンズは Sony 70-300 SSM G。大きな写真の撮影データは、焦点距離300mm、35ミリ版換算450mm、ISO 400、F9.0、1/1,250sでした。また、大きな写真はクリックして更に大きく見ることが出来ます。

カマキリの食事

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 岐阜市近郊にある自宅近くを、雨が降らない限り毎日散歩するのですが、梅雨の終わりの長雨で散歩道両側の草が恐ろしく伸び、草にふさがれ道幅が半分ほどになってしまっています。日本の夏の草木の成長は熱帯地方のそれを確実に上回るのではないかと思っています。
 草深い散歩道に野鳥の姿は見えず、時々巣立ちしたばかりと思われるホオジロの若鳥を見かけますが、彼らは用心深く、シャッターチャンスは多くありませんし、息をひそめて近づくほどのフォトジェニックな被写体でもないと思っていますから、彼らを見かけても気にせずラメラを構えないまま歩いています。

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 野鳥がいなくなり撮れなくなると、注意は花や昆虫に向かい、道端のトンボなどが目につくようになります。そんなある日、柿畑のアスファルト道路のほぼ真ん中で、まだ大人になりきっていないと思われる小さなカマキリが獲物を捕らえている場面にぶつかりました。
 その捕らえている獲物を目を凝らしてみても詳細がわからなかったのですが、こうして写真に撮ってみて見ると、既に体の一部が食われて無くなっている、種類は分かりませんが虫です。カマキリの口には虫の肉片がついており、今まさに噛んでいるところで、左手には引きちぎったと思われる獲物の一部のようなものが見えます。
 アフリカなどでライオンなどの肉食獣が、草食獣を襲って食べる場面は、非情な野生世界の弱肉強食の掟を我々に教えてくれるのですが、実は虫の世界でもそれは同じで、身近なところでそれが行われているのですね。今日の写真はそんなことを気づかされる一枚です。ちなみにカマキリは静かに近づき、不意を突いて相手を襲うことから、獣に例えればヒョウでしょうか。
 下の小さな写真は、このカマキリの食事を観察した後に、散歩道で見つけた雑草ですが、きれいですね。でもこの写真、あまりにもまともに撮りすぎていることから、次回からもう少し工夫しようかと思っています。

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 使用機材のカメラはSony α77Ⅱに、レンズは Sony 70-300 SSM G。大きな写真の撮影データは、焦点距離300mm、35ミリ版換算450mm、ISO 400、F6.3、1/640sでした。また、大きな写真はクリックして更に大きく見ることが出来ます。

ベリーズ 帰宅前のムクドリモドキの水浴び

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 今日の写真は、中米の国ベリーズはもとより中米で最も一般的に見られる、カラスの小型のような姿の日本名ムクドリモドキの雄です。体色は真っ黒に見えるのですが、光の加減で光った濃紺に見えるときもあり、図鑑ではこちらの色を使用しています。
 この鳥は多分この国で最も数の多い鳥で、街でも郊外でも至るところで目にすることができますが、常に人間と共に住んでいますから、人里離れると見かけることはありません。この点ではスズメとよく似ています。

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 彼らは集団になってねぐらで夜を過ごし、朝は日の出とともに餌場に向かい、夕方になると一斉にねぐらに戻りますから、この点は東京に住むカラスとよく似ています。
 彼らはねぐらに戻る途上で、この国最大の都市の住宅地にある、我が自宅すぐ横の空き地を集団で訪れ、雨水の水たまりで水浴びを必ずします。ここでそれぞれがしばらく体を洗い、また集団でねぐら方向に飛び立つのです。
 この水たまりにはムクドリモドキだけでなく、他の種類、例えば写真のチドリたちもやって来ますから、自室から見えるこの場所は、私の最高の野鳥観察場なのです。7月21日のクロタカもここで撮った写真です。

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 使用機材のカメラはSony α57に、レンズは Sony DT55-300。大きな写真の撮影データは、焦点距離300mm、35ミリ版換算450mm、ISO 400、F5.6、1/640sでした。また、大きな写真はクリックして更に大きく見ることが出来ます。

ベリーズ 間近で見る Common Black-Hawk (コモン ブラックホーク)

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 7月21日のこのブログ上で、ベリーズで見られるあるタカのお話をしました。それはそのタカが、ベリーズ最大の都市であるベリーズシティの住宅地にある自宅すぐ近くの、空き地の水たまりを訪れた時の様子でした。
 その時のタカはしばらくして飛び立ったのですが、遠くには行かず、なんとこの空き地とは反対側の自宅隣の林の木に停まったのです。察するに我が自宅周辺で何か獲物を見つけ、そのため去り難かったのでしょう。それが今日の写真です。

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 このタカはハヤブサオオタカのように、飛んでいる様な生きている鳥を襲って獲物を得るタイプではなく、どちらかと言えばトビのように雑食性が高く、また既に死んでいる動物を餌にしているようです。
 でもトビよりもはるかに大きく鋭いクチバシは、硬い獲物の肉を裂くためと思わることから、虫やネズミだけではなく、大きな動物の死骸も餌としていると思われます。
 このタカ、顔つきは猛禽類の特徴である鋭い目を持った精悍なものでなく、つぶらで大きな、どことなくやさしさ漂う目を持っていることからも、荒々しい性格でないと想像できます。
 そんな印象の Common Black-Hawk (コモン ブラックホーク)ですが、遠くから見る黒い体色は精悍さを強調しており、その中で尾羽の白い線が目立ち、翼が幅広く尾羽が短かめで体型が良く、上空で飛翔する姿はとても美しく見栄えがします。

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 下の小さな写真は、遠くで旋回する姿を、腹ではなく背側から捉えた一枚ですが、本当に格好いいですね。私の好きな野鳥の一種です。
 使用機材のカメラはSony α57に、レンズは Sony DT55-300。大きな写真の撮影データは、焦点距離300mm、35ミリ版換算450mm、ISO 400、F7.1、1/800sでした。また、大きな写真はクリックして更に大きく見ることが出来ます。

オールドレンズの旅 Minolta AF24-105 F3.5-4.5

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 今日の写真は去年の秋に、岐阜市郊外にある自宅近くのイチョウの畑で撮った二枚ですが、時間は11月17日の午後3時過ぎです。日本の秋の午後の穏やかな日差しを感じていただけるでしょうか。
 明るい順光で撮る写真は絞りが絞り込まれ、早いシャッタースピードが可能になりますから、対象物を鮮明に捉えることができ、またレンズ鏡胴内、ガラス表面での光の反射が小さくなりますからコントラストも高くなり、更に先鋭さが増します。

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 こうなるとレンズの個性というか特性が出にくくなりますから、どのレンズで撮っても似たような写真になり、レンズ好きにとっては面白みは小さくなるかもしれません。
 ではどのレンズで撮っても見分けがつかないほどに似ているのかというとそうでもありません。そんな中でも最も差が出るのは発色で、また同時に、レンズが持つ特性の一つであるボケ具合にも差が出ます。
 発色はその場の現実感というのかリアリティの違いになり、ボケ具合は立体感となって現れます。無論これらの要素が絡み合ってその写真の印象が造られていくのだろうと思います。
 あらためて見る今日の写真、被写体の主題はくっきりと写って背景から浮き上がり、また衣服は単色ですがグラデーションによる立体感が感じられます。
 背景のイチョウの木は、近い方から遠い方に自然にぼけており、それによる奥行きと共に、実際に見ているようなリアリティを感じます。
 この写真を撮った古いミノルタのズーム、なかなかの名レンズだと思います。この写真をライカのレンズで撮ったといってもだれも疑わないのではというのは言いすぎでしょうか。写真をぜひ拡大してみてください。
 下の小さな写真は、イチョウ畑のすぐ横を走っている樽見鉄道で、秋の紅葉の里を走る列車はなかなか趣があって私は好きです。こちらは24㎜で撮っていますが、四隅の光量落ちが目立ちますね。

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 撮影機材のカメラはSony α7Ⅱに、レンズは Minolta AF24-105 F3.5-4.5。大きな写真の撮影データは、焦点距離35mm、35ミリ版換算35mm、ISO400、F4.5、1/1,250sでした。また、大きな写真はクリックして更に大きく見ることが出来ます。

オメガとセイコー

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 我々の世代で精密機械と言えば真っ先に思い浮かぶのがカメラと腕時計です。その両方の精密機械は日本が得意とする工業生産品ですが、その先輩はヨーロッパであることはみなさんご存知かと思います。
 その2つの工業製品のうち、カメラ生産はかつてヨーロッパやアメリカでたくさん生産されていましたが、現在では日本が独占状態と言って過言ではないと思いますが、しかし腕時計はそうではありません。

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 腕時計生産で有名なのはスイスで、沢山の高級ブランドが日本でも知られ、魅力的な製品が多く販売されています。
 さて今日の写真ですが、世界の高級ブランドの一つであるオメガのシーマスターと、我がセイコーのファイブアクタス (5 ACTUS 25 JEWELS) を並べてみました。どちらも機械式の自動巻きで、正確な時間を刻むクオーツが出た後でも衰えぬ人気を誇る機械時計です。
 この写真のオメガは、24年前にアフリカのケニアはナイロビの骨董店で、純正ベルト付きの中古品を、US$200だったと思いますが購入し、日本帰国後に専門店でオーバーホールしました。
 それ以降故障なく正確に時を刻んでおり、この時計が信頼性の高い機械であることが分かりました。使ってみた印象は高級品らしく品質の高さを感じることで、具体的には外装の仕上げはもちろん、自動巻きのローターが音もなくスムースに回ること、竜頭の動きに滑らかさがあることなどです。それに、この写真からも感じられますが、針の視認性が非常によく、一目で時間を読み取ることができます。

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 オメガの隣に並んでいるのは、わが日本が誇るセイコーの自動巻き腕時計の代表作で、生産後既に40年ほど経っていますから、古さに関して隣のオメガといい勝負ではないかと思います。
 この2者、販売価格に大きな差があることことから単純な比較はできないのですが、それをあえてすれば、まず時間の正確さにおいては 5 ACTUS が上回っているような気がします。
 この写真の個体のオーバーホール歴は分かりませんが、今でも腕に着けている限り±10秒/日の精度で動いていますから、驚異的な機械精度であることが証明されています。
 高級感に関しては、オメガとは値段が大幅にに違うことから、ローターの回転時にこすれるような音がすること、竜頭の動きに多少ガサツな印象があることなど、スイス高級時計とは差は感じます。
 針の視認性については、文字盤が白色である限り問題はありませんが、これに色がつくと途端に悪くなるのがセイコーの欠点だと思います。その点、オメガは隙がありません。
 どちらにしても両者とも素晴らしい製品だと思いますが、コストパフォーマンスではセイコーが上回っていると思います。ただこの感想も購入後のサービスなど、長いスパンで見れば違ってくるかもしれませんが、オメガはエクゼクティブの、セイコー5は庶民の味方の時計であることは確かです。
 それにしてもどちらの時計も美しい姿ですね。うっとりします。
 使用機材のカメラはCanon Power-shot F95。大きな写真の撮影データは、焦点距離12.8mm、35ミリ版換算63mm、ISO 200、F3.5、1/100sでした。また、大きな写真はクリックして更に大きく見ることが出来ます。