デジタルカメラのミラーレス機は、レンズの取り付け部であるマウントから、カメラボディのセンサーまでの長さであるフランジバックが短いのが特徴です。これは光軸を変えているミラーが無いためで、構造的にはライカのレンジファインダーカメラと同じです。
この短いフランジバックを活用して、これまでに世に出た様々なレンズを、アダプターを利用して取りつけることができます。このアダプターさえあれば、理論的には星の数ほどあるレンズ総てを楽しむことができるのです。
今日ご紹介するレンズは、フィルム時代に登場したマニュアルフォーカスのニッコールで、日本のカメラと共にその優秀さを世界史知らしめた、日本の光学界の金字塔的存在です。そのレンズを現代のデジタルカメラで、しかも絞り優先、手振れ補正付きで使えるのですから、これはもう痛快な出来事です。
更には中央部拡大のピント支援機能もありますから、勘に頼らない恐ろしく正確なピントで誰もが撮ることができるのです。
写真は岐阜市近郊にある自宅近くの神社の境内で、空梅雨に咲いているアジサイを背景にしました。この日は曇り空で、更に木が茂っていて暗かったのですが、このカメラは、このぐらいの悪条件をものともせず、素晴らしく先鋭な画像を作ってくれます。
無論、ニッコールの定評であるピントの切れる優秀なレンズがこれを支えているのは言うまでもありません。先鋭感と良いボケ味、それに伴う立体感、リアル感とも文句なしです。
撮影機材のカメラはSony α7Ⅱに、レンズは Nikkor 35mm F2.8。大きな写真の撮影データは、焦点距離35mm、35ミリ版換算35mm、ISO320、F4.0、1/500sでした。また、大きな写真はクリックして更に大きく見ることが出来ます。