岐阜県揖斐川町谷汲にある横蔵寺について、これまで数回にわたってその魅力をお話してきました。このお寺、人里離れた山村にひっそりと建っているのですが、その密度の高い参道と境内の造りは想像を超えるものがあります。
また随所に垣間見える美を具現した景色は、これぞ日本の伝統美であると世界に向けて発信したくなるほどですが、果たしてどれほどの人がこれを分かってくれるのでしょうか。
また、ただ美しいだけでなく、そこには技術に裏打ちされた職人たちの技も見て取れます。
たとえば今日の写真の背景に写っている石垣について、周辺で採れた石が資材となっているようです。それほど大きくはないのですが、一人では持てないほどの大きさの石を、見た目は無造作に積んでいるように見えます。でもこれだけの高さを実現しながらこれまで地震や風雪に耐え、崩れなかったのにはそれなりの技術の裏打ちがあるはずです。
下の小さな写真はそれぞれ、境内の一番奥にある本堂と、山門を入ってすぐ右手に見える三重塔です。こんな山奥にありながら三重塔があるのは驚きで、近くのもっと大きなお寺である華厳寺にもない建物であるばかりか、この周辺では見当たりません。
谷汲の横蔵寺、秋の紅葉のシーズンにはぜひ訪れてみてください。
使用機材のカメラはSony α700に、レンズは Tamron AF18-250mm F/3.5-6.3 Di II LD Aspherical。大きな写真の撮影データは、焦点距離50mm、35ミリ版換算75mm、ISO 250、F5.0、1/80sでした。また、大きな写真はクリックして更に大きく見ることが出来ます。