岐阜市近郊にある自宅から、もう少し山間部に入ったところで私は生まれ育ちました。
私がまだ少年だったころ、自宅周辺だけでなく、日本全体が今の子供達には想像できないほどに何もない時代でした。当時の自宅周辺にテレビがいきわたり始めたのは、私の小学校時代でした。
金曜日のプロレス中継とディズニーワールドのテレビ番組が隔週交代で放送されていましたを覚えていますし、NHKのジェスチャーや、何とか3人組、民放の3匹の侍、大村崑の鞍馬天狗などを懐かしく思い出します。
その当時の子供たちのおやつは、畑や庭木になった柿、スモモ、グミ、ビワ、ナツメ、サクランボなどで季節になると我先に採りに行ったものです。
また野山で採れる野生の木の実も重要なおやつでした。代表的なところでは野生の栗でしたが、桑の実、野イチゴなども楽しみでした。でもその中でも一番のごちそうは今日の話題のアケビです。
昨日、幼馴染と共に故郷の河原に行ってみると、物知りの彼が簡単に見つけてくれたのですが、あの懐かしいアケビが、畑の端にある雑木の中になっているではありませんか。今日の1枚目の写真がそれで、太い蔓からいくつもぶら下がっています。3枚目の写真がその雑木です。
既に大きく開いたものは、中身を鳥にでも食べられたのか空になっていましたが、少し開きかけたのもは、2枚目の写真の通りちゃんと中身があります。
何十年振りかのアケビを、ワクワクしながら食べてみると、懐かしい味でしたが昔ほどの甘みを感じることができません。現代の美食に慣れてしまったのか、自然の甘みを感じなくなった自分を寂しく感じてしまいました。
現代の子はこんな薄味で果肉の少ない果物、食べないでしょうね。我々にとってはごちそうだったのですが。
使用機材のカメラはSony Cyber-shot RX10 Ⅳ 。大きな写真の撮影データは、焦点距離67.5mm、35ミリ版換算184mm、ISO 400、F 4.0、1/250sでした。また、大きな写真はクリックして更に大きく見ることが出来ます。