中米の国ベリーズで、美しい鳥であるにもかかわらず、街中でも郊外でもごく普通に見られる鳥たちがたくさん生息していますが、それらの代表例は、体が虹色に輝くようなハチドリ、鮮やかな緑色を基調として赤色、青色、黄色などのアクセントが美しいインコ類、そして今日の写真の Vermilion Frycatcher(バーミリオン フラウキャッチャー)などです。
私はベリーズに住み始め、しばらくして自宅の敷地内でこの鳥に出会ったのですが、鮮やかな赤色を持つその体色に驚きました。身近にこんな鳥がいるのかと。
1枚目と2枚目の写真はメスで、オスに比べると地味なのですが、それでも十分に人目を惹き、3枚目のオスの写真ではご覧の通り、これだけの赤色を持つ鳥を他に思い浮かびません。
ただオスの頭とおなかの赤色の鮮やかさに比べて、背中と尾の色があまりにも地味なのはどうした訳でしょうか。
またこのフライキャッチャーの習性として特異なのは、人の往来があり更に人の手が届くところに巣を作ることです。ベリーズではこの鳥の巣を5個見ましたが、いずれもこの条件に当てはまる場所ばかりでした。
このフライキャッチャーが人間を信頼しているのは確かですが、同時に他の鳥から襲われるリスクを、人を利用して避けているとしか思えません。
人に襲われるか、それとも人のいる場所に巣を作ることで天敵に襲われるのを防ぐか、それを天秤にかけているのです。
バーミリオンフライキャッチャーはその賭けに成功しているようですが、彼らにはもう一つのリスクが存在していました。それは他の鳥に托卵されることなのです。
野生の生存競争は厳しいですね。
使用機材のカメラは Sony α77Ⅱ、レンズは Sony 70-300mm F4.5-5.6 G SSM。大きな写真の撮影データは、焦点距離300mm、35ミリ版換算450mm、ISO 400、F8.0、1/1,000sでした。一枚目の写真はクリックして更に大きく見ることができます。