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ベリーズ ハチドリの掟破り

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 先日今年5月12日のこのブログで、中米の国ベリーズにおいて、チューリップフラワーに集まるハチドリの写真をご紹介しましたが、今日はその続きです。
 ハチドリは花の蜜を吸って生きていますから、くちばしは蜜を吸いやすいように発達しており、それはまるで長いストローのような形状をしています。
 その長いくちばしでもって花の奥にくちばしを差し込み、深い所にたまっている蜜を吸うのですが、花の種類は非常に多く、また形や大きさがそれぞれ違います。

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 ハチドリに種類が多いのは、それぞれの花の形状に合わせて蜜を吸いやすいようにハチドリが分岐し発達したと考えられます。中にはクチバシがとても長く、大きく曲がった種類がみられますから、まさに花に合わせてそうなったと思えるのです。
 花とハチドリの関係は、ミツバチとのそれと同じく、ハチドリは花から蜜をもらう代わりに彼らの受粉に貢献しています。こうして花とハチドリの持ちつ持たれつの関係ができあがっているのです。

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 しかしそれは花に合わせて様々な形のクチバシを発達させたハチドリたちが、おしべめしべに触りながら蜜を吸うことで成り立つのですが、今日の写真はその掟破りの場面を捉えています。
 写真の Rufus-tailed Hummingbird(ラフォステイルド ハミングバード)は、彼のくちばしの長さではこのチューリップフラワーの深い所にある密には届きません。そこで彼は花の根元近くに穴をあけ、そこからくちばしを差し込み蜜を吸っているのです。

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 ハチドリたちは自身のくちばしを、一年中咲いている訳でない総ての花の形状に合わせるわけにはいきませんから、時にはこうして掟破りをして密をいただいているのです。
 チューリップフラワーにしてみれば、これでは何のメリットもなさそうですが、複雑な自然ですから、きっとどこかで何らかの見返りを得ているに違いないことでしょう。
 4枚目の写真は、ハチドリ以外の鳥もこの花にやって来た場面で、彼もやはり花の蜜を吸います。

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 使用機材のカメラは Sony α77Ⅱ、レンズは Sony 70-300mm F4.5-5.6 G SSM。大きな写真の撮影データは、焦点距離70mm、35ミリ版換算105mm、ISO 400、F9.0、1/1,600sでした。一枚目の写真はクリックして更に大きく見ることができます。