今日は8月20日に続いて、岐阜県揖斐川町谷汲にある横蔵寺の話題です。
横蔵寺は典型的な山寺で、山村の小さな集落の中に建てられており、どことなく町を逃れて目立たぬ場所をわざわざ選んだような、人の往来から離れた場所にあります。ですから街中で見られるお寺とは雰囲気が全く違い、お寺そのものに歴史上のストーリーを感じさせるものがあります。
村の一般道からお寺に入る参道の最初は、以前にもご紹介した、写真にある赤い橋を渡るのですが、今日の2枚はその橋の手前の位置から、橋の向こうの正面の石垣を見た場面です。
その石垣は高く積まれており、有名なお寺やお城のような、美しい整然とした石積みではなく、このお寺周辺の石を集めたような、また石を削るような加工はほとんど見られない荒いものです。
しかし積み方は確かなようで、苔むした石は長年の風雪や地震に耐えてきたのでしょう、どこにも乱れは見られません。
その石垣の上には腰までが木製で黒く塗られ、その上が白い漆喰塗、屋根が瓦葺の古風な塀があり、それが緑の樹木と素晴らしい調和を見せています。また、手前の赤い橋がアクセントとなり、落ち着いた和風の景色に華やかなアクセントを添えています。外国人はこの景色に、我々には当たり前過ぎて気づかない和風の美を感じるのではないでしょうか。
この景色、今は新緑ですが、秋の紅葉でどう変わるのか、楽しみです。
下の小さな写真は、石垣のスケール感を分かっていただくために人物を入れた一枚、もう一つは石垣を右に見ながら登る参道の様子です。
使用機材のカメラはSony α700に、レンズは Tamron AF18-250mm F/3.5-6.3 Di II LD Aspherical。大きな写真の撮影データは、焦点距離18mm、35ミリ版換算27mm、ISO 200、F5.0、1/50sでした。また、大きな写真はクリックして更に大きく見ることが出来ます。
ところでこのレンズ、高倍率でとても便利なうえに、予想以上の描写を見せてくれる優秀なレンズですね。