中米ベリーズは、かつてはサトウキビ栽培が主な産業でしたが、近年は観光業が盛んで、この国の外貨獲得の主流になりつつあります。
観光資源は美しいカリブ海、マヤ時代の遺跡、そしてジャングルなどの素晴らしい自然環境です。海外からの観光客はこれらを楽しむために訪れるのですが、中にはバードウオッチングを目的にする人もたくさんいます。
町から離れたジャングルには、こういった人たちを対象にしたホテルが整備されており、今日の写真の舞台もそんなホテルの中の一つです。
このホテル、この国最大の都市であるベリーズシティから車で2時間半ほどの位置で、敷地は国立公園の中にありますから、周りの自然は開発されることなく保存されています。
通常ジャングルの中のホテルは野鳥を集めるための餌台が設置されており、観光客たちが容易に鳥の観察を楽しめるようにしてあるのですが、このホテルにはそれがわずかな規模しかありません。
ホテル敷地内には実や花をつける樹木がたくさん植えられており、それを目当てに野鳥がたくさん訪れますから、餌台は必要ないほどで、実際餌台を訪れる鳥はわずかです。
でも敷地内を歩くとあちこちで野鳥たちを見ることができ、今まで訪れた中で、このホテルが野鳥の種類も数もずば抜けて多いのです。それにやはりどの種類も人をあまり恐れません。ここはバードウオッチングの天国だと思います。
今日の写真はホテル敷地内にあるバナナの木に来た Golden-fronted Woodpecker (ゴールデンフロンテッド ウッドペッカー)と、下の小さな写真は、上の大きな写真にも頭が少し見えていますが、やはり同じ木に来た Yelloe-winged Tanager (イエローウイングド タナガー)です。
このキツツキは特に珍しくはなく、街中でも電柱に営巣するほど一般的な種類ですが、ジャングルで見るとまた違った美しさを感じます。
ところでこうしてバナナを食べる野鳥たちは、バナナ農家にとっては迷惑な害鳥かもしれませんね。
使用機材のカメラはSony α55に、レンズは Minolta AF100-300 Apo。大きな写真の撮影データは、焦点距離300mm、35ミリ版換算450mm、ISO 800、F5.6、1/320sでした。また、大きな写真はクリックして更に大きく見ることが出来ます。