岐阜市近郊にある自宅近くを、雨が降らない限り毎日散歩するのですが、梅雨の終わりの長雨で散歩道両側の草が恐ろしく伸び、草にふさがれ道幅が半分ほどになってしまっています。日本の夏の草木の成長は熱帯地方のそれを確実に上回るのではないかと思っています。
草深い散歩道に野鳥の姿は見えず、時々巣立ちしたばかりと思われるホオジロの若鳥を見かけますが、彼らは用心深く、シャッターチャンスは多くありませんし、息をひそめて近づくほどのフォトジェニックな被写体でもないと思っていますから、彼らを見かけても気にせずラメラを構えないまま歩いています。
野鳥がいなくなり撮れなくなると、注意は花や昆虫に向かい、道端のトンボなどが目につくようになります。そんなある日、柿畑のアスファルト道路のほぼ真ん中で、まだ大人になりきっていないと思われる小さなカマキリが獲物を捕らえている場面にぶつかりました。
その捕らえている獲物を目を凝らしてみても詳細がわからなかったのですが、こうして写真に撮ってみて見ると、既に体の一部が食われて無くなっている、種類は分かりませんが虫です。カマキリの口には虫の肉片がついており、今まさに噛んでいるところで、左手には引きちぎったと思われる獲物の一部のようなものが見えます。
アフリカなどでライオンなどの肉食獣が、草食獣を襲って食べる場面は、非情な野生世界の弱肉強食の掟を我々に教えてくれるのですが、実は虫の世界でもそれは同じで、身近なところでそれが行われているのですね。今日の写真はそんなことを気づかされる一枚です。ちなみにカマキリは静かに近づき、不意を突いて相手を襲うことから、獣に例えればヒョウでしょうか。
下の小さな写真は、このカマキリの食事を観察した後に、散歩道で見つけた雑草ですが、きれいですね。でもこの写真、あまりにもまともに撮りすぎていることから、次回からもう少し工夫しようかと思っています。
使用機材のカメラはSony α77Ⅱに、レンズは Sony 70-300 SSM G。大きな写真の撮影データは、焦点距離300mm、35ミリ版換算450mm、ISO 400、F6.3、1/640sでした。また、大きな写真はクリックして更に大きく見ることが出来ます。