中米の国ベリーズで私が勤務した事務所は、この国最大の都市ベリーズシティの、カリブ海に面した海岸に建つ建物の3階でした。
その事務所からは遠浅の海が見え、3㎞ほどの沖には浅瀬であることから自生し群生したマングローブの林が見えます。その林に陸地はありません。
そんなマングローブの林は、その先の水平線にまであちこちに見えますから、いかに遠浅の海かよく分かります。そして更にその先に南北に長く連なる、世界第二位の規模を誇るサンゴ環礁があるのです。
そんな遠浅の海は鳥たちの格好の餌場のようで、カモメやカツオドリたちが群れで海面に飛び込んだり、時々ペリカンも豪快なダイビングを見せてくれます。
そしてこの海で狩りをするもう1種類の鳥が今日の写真のオスプレイ、日本名ミサゴです。
残念ながら私は彼が狩りをする瞬間を見たことがないのですが、いつも彼は海岸に建つ電柱や街灯の上で水面をじっと見つめているのを見ていました。
そんなある日、事務所に2番目に近い電柱の天辺で、獲物の魚を食べている場面に出くわしました。獲物は見ての通り細長い魚で、彼にしてみればそれほど大物ではありません。
彼はその獲物を最後までこの電柱で食べたのですが、何一つ食べ残しはありませんでした。頭の先からしっぽまで、骨もすべて食べつくしたのです。骨を残そうという発想はないようで、われわれ人間にはまねのできない芸当です。
それにしてもミサゴは、鋭い目つきと、強力なクチバシ、爪を持つ精悍な猛禽ですね。
使用機材のカメラは Sony α55、レンズは Minolta AF100-300 Apo 。大きな写真の撮影データは、焦点距離300mm、35ミリ版換算450mm、ISO 400、F9.0、1/1,250sでした。また、大きな写真はクリックして更に大きく見ることが出来ます。