中米の国ベリーズに赴任した当初は、郊外はもちろんこの国最大の都市の市街地においても、日本では全く信じられないほどの様々な、たくさんの野鳥を見ることができるのに驚いたものです。
最大の都市ベリーズシティはカリブ海岸にあり、当然ながら海鳥がたくさん見られるのですが、街の上空にグンカンドリやペリカンの群れが舞い、ビーチの電柱にはミサゴが停まって海面を眺め、ヤシの林ではインコが騒がしく鳴き、カモメやアジサシが鳩に混じって公園で餌を探しているなどの光景は、これぞまさに野生と人間が共に生きている街と感嘆したものです。
もっと言うなら、街の真ん中を流れる川には川イルカやマナティ(ジュゴン)がいるのですから、ここは世界に類を見ない野生と人間の共存する街と言う以上に、野生の楽園と表現したいくらいなのです。
ベリーズに赴任後しばらくして、そんなベリーズシティから車で15分ほどの郊外を走っていた時、道路沿いの電線にカラスほどの鳥が停まっているのを見つけました。この国にカラスはいませんから何だろうと思い、車のスピードを落としてよく見ると、それは猛禽類でした。
すぐさま車を路肩に停めてカメラを構え、撮った写真が今日の2枚です。鳥はオオタカほどの大きさで、顔や姿は精悍な感じです。でもこのタカ、なぜ人と車が多い道路の電線にいるのかと不思議に思うと同時に、こんなタカなどいそうもない場所で出会えた幸運に感謝したものです。
帰宅後早速手持ちの図鑑で調べてみると、名前は何と Roadside Hawk(ロードサイド ホーク)。このタカは名前が示す通り道路際にいることが多いのでしょう。私とこのタカの出会いは名前の通りのものでした。
我々の出会いは幸運だったのか、それともこれは当然の帰結だったのか。
3枚目はそのベリーズ郊外の電線のある典型的な道路の風景です。
使用機材のカメラは Sony α550、レンズは Minolta AF100-300 Apo。大きな写真の撮影データは、焦点距離300mm、35ミリ版換算450mm、ISO 200、F6.3、1/640sでした。また、大きな写真はクリックして更に大きく見ることが出来ます。