中米の国ベリーズの最大の都市であるベリーズシティから、車で1時間ほど北北西に走ると、一見乾燥したブッシュの草原の中に広がる、クルックドツリー野生生物保護区が見えてきます。
この乾燥した大地のような土地は、実は大部分が常にぬかるんだ様な湿原で、雨期ともなれば水が溜まるとても開発が難しい土地なのです。
そんな中にあるクルックドツリー野生生物保護区は、川幅が広がったような湖のある大湿原地帯で、この国に二つあるラムサール条約に締結されているうちの場所の一つです。
この湖は乾期になると大幅に水位が下がることから、そこに住む魚を餌だとする水鳥たちが、国境を越えて周辺から集まり、見事な野生の一大イベントを見せてくれるため、その様子を見ようとその時期、世界中から観光客がここを訪れます。
しかしこの保護区の魅力はそれだけでなく、湖に囲まれた保護区内の集落には、イギリス統治時代に切り倒されるのを免れた巨木があちこちに点在しており、それらの巨木自身と、それらを取り巻く自然がまた魅力なのです。1本の巨木にはそれ自体に一つの世界というか宇宙が存在するからです。
今日の写真は、クルックドツリーの集落の中でも、巨木がたくさん集まっている場所で撮影しました。
長い年月を経た、空一杯に枝を広げる巨木は、人間の力など足元にも及ばないような見る者を圧倒する迫力と、一方で大きな日陰を作り、心を和ませるオアシスのようなやさしさがあります。
またその巨木には多くの野鳥が集まり、巣を作って子育てする場所といった、巨木は彼らにとって母なる大地のような役割も果たしています。
3枚目、4枚目の写真は、巨木のある場所の周辺で見かけた野鳥たちです。
使用機材のカメラは Sony α77Ⅱ、レンズは Sony 70-300mm F4.5-5.6 G SSM。大きな写真の撮影データは、焦点距離70mm、35ミリ版換算105mm、ISO 400、F5.6、1/200sでした。一枚目の写真はクリックして更に大きく見ることができます。