写真紹介 on Line

カメラと写真を楽しむ豊かな生活、そして鳥が大好き

ベリーズ タニシをわしづかみにする Snail Kite(スネイル カイト)

f:id:photolifenet:20170928213857j:plain

 昨日のこのブログ上での記事でもお話ししましたが、ベリーズ最大の都市ベリーズシティは街全体の標高が低く、そのためあちこちに水場多くがあります。道路側溝はその一つで、一年を通じて水量があることから、水生動物たちの格好の住みかとなっています。
 そんな水場の中の主な生き物は、幾種類にも及ぶ魚たち、甲羅だけでも10㎝以上になる大きなカニ、そして無数のタニシたちです。

f:id:photolifenet:20170928213911j:plain

 魚を狙うのはシラサギやササゴイたちで、日常生活の中でその狩りを目撃することがあるのですが、それは実に鮮やかで、時には20㎝になるような大物を捕らえ、苦労しながら飲み込む場面に出くわしたりします。このブログ上でもこれまでにそういったシーンをご紹介しています。
 また水中に無数にいるタニシも多くの鳥たちにとって貴重な食糧で、それを気性の荒いブラックバードと今日の写真の Snail Kite(スネイル カイト)が狙います。
 スネイルカイトは毎日こうして道路側溝を、上から覗くことができるフェンスの上部から水中を注視し、タニシを探します。彼らの目は水面の反射を避けて水中が良く見えるような構造になっていますから、水上からでも問題なく探せるのです。

f:id:photolifenet:20170928213923j:plain

 日本のトビほどの大きさのスネイルカイトは、小さなタニシには目もくれず、常に大物を狙っています。大物が水中の泥の中で動くのを辛抱強く待ち、見つけた瞬間に水中に飛び込み、長い爪のある足でタニシをわしづかみにします。
 ここから私の持論ですが、この「わしづかみ(鷲掴み)」という言葉について、足で獲物を捕るのはワシやタカなどの猛禽類だけで、それ以外の種類はくちばしで獲物を捕まえますから、まさにこの「わしづかみ」できる種類は言葉通り猛禽類なのです。このスネイルカイトも相手はタニシですが、それをくちばしで捕るのではなく足でつかみ捕りますから猛禽類と言えるのではないでしょうか。ちなみに日本のトビも、空中で昆虫をわしづかみにして捕る場面を見ることができますし、フクロウたちももちろん足で餌(ネズミ等)を捕ります。
 この観点で見ると例外はハゲワシたちで、彼らが餌を足でつかむ場面を見たことがありません。ハゲワシたちは子育ての場合でも、子に与えるエサを足でつかんで巣まで運ぶのではなく、その他の種類と同様一旦飲み込んで運び、ヒナの前で吐き出します。ワシやタカは決してそうしません。
 話がそれましたが、スネイルカイトのクチバシは、写真の通り長く、そして大きく曲がっています。これはタニシの中身を殻から引き出すために進化した形で、このことからも分かるように、その名の通り彼らはタニシ食いのスペシャリストなのです。

f:id:photolifenet:20170928213943j:plain

 使用機材のカメラはSony α57に、レンズは Sony DT55-300。大きな写真の撮影データは、焦点距離300mm、35ミリ版換算450mm、ISO 800、F8.0、1/800sでした。また、大きな写真はクリックして更に大きく見ることが出来ます。